

2020/10/26
フロンガス漏えい点検
業務用空調機器をご使用の皆様へ
フロンの漏えい点検は所有者の義務です。
フロンとは……
フロンはフルオロカーボンの通称で、エアコンや冷蔵庫などの冷媒として開発されました。その後フロンがオゾン層を破壊することが判明し、現在は、オゾン層を破壊しない代替フロンが、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒として使われています。しかし、代替フロンでも温室効果ガスであることに変わりはなく、二酸化炭素を1とした温暖化係数は、二酸化炭素の数百~数万倍もあり、地球温暖化の原因になるとして排出を抑制する取り組みがすすめられています。
フロン類は強力な温室効果ガスです。
フロン類は冷媒などに使用される一方、二酸化炭素の100~10,000倍という強力な温室効果があり、地球温暖化に甚大な影響を及ぼします。フロン類の排出を抑制することで、地球温暖化の防止やオゾン層の保護に貢献できます。
フロン排出抑制法
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律
2013年に業務用冷凍空調機器の破棄時におけるフロン回収義務に加え、フロン類使用機器の管理など、ライフサイクル全般にわたる排出抑制対策を規定した「フロン排出抑制法」に改正され、規制が強化されました。
冷媒フロン類取扱技術者による点検が必要です。
機器の所有者(管理者)は、業務用冷凍空調機器の適正な管理とフロン類の排出抑制に努めなければなりません。
そのため、日常的な簡易点検は、所有者ご自身が行い、定期点検は専門業者(十分な知見を有する者【冷媒フロン類取扱技術者】等)に依頼して実施することが必要となります。
当社では、冷媒フロン類取扱技術者による定期点検、保守管理を行なっています。
業務用エアコンのお困りごとは、ぜひご相談ください。
フロン排出抑制法の改正により、
フロンの排出および破棄に対する規制が強化されました!
(2020年4月1日施行)
エアコンを使用しているとき
1.業務用冷凍空調機器の簡易点検・定期点検の義務化
簡易点検
すべての機器を対象に日常的に実施(3ヵ月に1回以上)
※専門家によるアドバイス
定期点検
表記の機器については専門家
(冷媒フロン類取扱技術者等)による定期点検を実施
機種 | 圧縮機電動機定格出力 | 定期点検頻度 |
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エアコンディショナー | 7.5kW以上50kW未満 | 3年に1回以上 |
エアコンディショナー | 50kW以上 | 1年に1回以上 |
冷凍.冷蔵機器 | 7.5kW以上 | 1年に1回以上 |
2.漏えいを発見した場合は、専門業者による修理を実施
・フロン類の漏えいが疑われる場合は、速やかに専門業者に修理、フロン類の充填を依頼
・フロン類の漏えいが見つかった場合は、修理なしでのフロン類の充填は原則禁止
3.機器の整備記録は廃棄後も3年間は保存
・機器の整備(点検・フロンの充填、回収等)については、適切な専門業者に依頼し、記録を行う
・点検の記録は、機器を設置してから廃棄後3年間は保存すること
4.年間の一定以上のフロンの算定漏えい量の報告義務
・1年間にフロン類をCO2換算値で1,000 CO2-ton以上漏えいした事業者は国へ報告すること
エアコンを廃棄するとき
5.機器を廃棄する際は、フロン類を回収しなければならない
・第1種フロン類充填回収業者に依頼して、フロン類を回収した後に機器を廃棄すること
・処分の際には、充填回収業者が発行する引取証明書の写しを渡すこと
・引取証明書(原本)は、3年間保存
機器は捨てるまできちんと管理しましょう!
[!]フロン類を回収しないまま機器を廃棄すると、刑事罰(50万円以下の罰金)が科せられます。
機器の廃棄時には必ず充填回収業者にフロン類の回収を依頼してください。
[!]フロン類の回収が証明できない機器は引き取ってもらえません。
廃棄物・リサイクル業者に業務用エアコン等の処分を依頼する際には、必ず引取証明書の写しを渡してください。
※引取証明書:充填回収業者がフロン類を回収した際に発行する書面
「冷媒フロン類取扱技術者」は、冷凍空調を熟知し、
冷媒フロンを取り扱うプロフェッショナルの資格です。
「冷媒フロン類取扱技術者」等による定期点検・予防保全が重要です。
機器トラブルが発生するほとんどのケースでフロンが漏洩していると言われています。環境汚染だけでなく、大切な機器の能力の低下、さらなる被害の拡大を防ぐためにも、点検・整備に精通し、認定を受けたエキスパート(冷媒フロン類取扱技術者等)による点検と早期の予防保全が必要です。
技術者に求められる主な重要項目 |
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◆冷媒を漏らさないための『予防保全技術』 |
◆機器の定期点検・保守サービス等における『漏えい点検技術』 |
◆上記をふまえた充填作業の実施 |
◆効率的で適正な回収作業の実施 |
「冷媒フロン類取扱技術者」による定期点検や保守は、当社へご相談ください。
エキスパートならではの視点と技術で、大切な機器と環境を守ります。
「冷媒フロン類取扱技術者」による点検業務
・運転履歴、点検記録簿の確認
・間接法・直接法による点検
・点検・修理記録簿への記載
・機器所有者、管理者への報告
冷媒管理・点検フロー
点検計画 |
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点検 |
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修理 |
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点検・修理の記録 |
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運転診断 |
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履歴の管理 |
漏えい点検・修理の手順
1.システム漏えいの点検
目視による冷媒系統全体の外観点検
①油漏れ
②局所的な凍結
③著しい腐食
④着霜
⑤漏れの痕跡
⑥機器の損傷
⑦冷媒液面低下
⑧容栓の変形
2.間接法による点検
運転中の状態値(圧カ・温度・電流など)、運転記録等から総合的に漏えいの有無を診断
3.直接法による点検
漏えい箇所を特定するためのピンポイント点検
①発泡液法
②電子式漏えいガス検知法
③蛍光剤法
4.修理
・冷媒回収作業(フロン排出抑制法の遵守)
・配管・機器の振動・伸縮・腐敗等による機器の損傷防止対策
(予防保全措置を含む)
・漏えい修理
・修理後、漏えい試験による漏れ確認
(機密試験・加圧漏えい試験・真空試験)
5.点検修理結果の記録・廃棄記録
①作業年月日
②点検実施者
③初期充填量
④漏えいの有無
⑤漏れの原因と処置
⑥回収量・補充量など
⑦機器廃棄の際にフロン回収した年月日及び回収業社名
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- 油漏れやしみで漏えいを確認
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- 発泡液で漏えいを確認
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- 電子式漏えいガス検知器で漏えいを確認